道路交通法改正
警察庁より道路交通法の改正案が発表されました。
従来、運輸や物流業において実施されてきた「点呼」や「アルコールチェック」が、一定台数以上の車両を保有する事業者にも義務化されます。
※当初2022年4月施行を予定されていましたが、アルコール検知器の使用に係る改正規定は2022年10月への延期が発表されました。
いわゆる緑ナンバーと呼ばれる事業用車両だけでなく、自家用自動車(白ナンバー)も対象になったことがポイントです。
対象となるのは、「安全運転管理者選任事業所」として規定されている企業や団体。
乗用車であれば5台以上、定員11名以上の車両であれば1台以上保有している事業所で、全国に約34万あるとされています。
本改正は、千葉県八掛市で6月に飲酒運転の白ナンバートラックが児童5人を死傷させた事故を受けたものとされています。
これを契機に、企業の社会的責任と交通事故防止を見直しましょう。
事故が起きた場合のリスクや被害
業務中に交通事故を起こすと、企業責任が問われ、民事上の責任(損害賠償)などが発生する場合があります。
また、大切な社員に万が一のことがあれば非常に残念なことです。
具体的な影響としては以下のものが挙げられます。
- 人の死傷による損失
- お客さまへの損害
- トラブル解決に対する関係者の労力
- 時間の損失
- 荷物や車両の損失
- 企業イメージダウン
- 精神的苦痛や誹謗中傷
- 保険料の大幅アップ
- 訴訟対応
これらは一例であり、実際の被害や対象は枚挙に暇がありません。
たった1件の事故が日々、汗水たらして得た利益や信用を一瞬にして壊してしまいます。
安全への経費というよりも人材覚悟・リスク削減を考慮し、安全教育に投資を検討する企業が増えています。
データから見る道路交通法遵守の重要性
安全運転の重要性や悲惨な事故報道が叫ばれる一方で、実は死亡事故件数は年々減少しています。
警察庁が公表している「交通死亡事故の発生状況及び道路交通法違反取り締まり状況について」から「道路交通法違反検挙数」と「死亡事故件数」の関係性をまとめました。
◆道路交通法違反検挙数と死亡事故件数の推移◆
(参考:警察庁 統計表より弊社作成)
上記のデータを見ると、道路交通法違反の検挙数と死亡事故件数は年々減少しています。
つまり、交通違反が減れば死亡事故の件数も減ると言えるのではないでしょうか。
死亡事故が減少すればその手前にある軽微な事故やヒヤリハット、ひいては交通事故全体の減少につながることが考えられま